
私たちは炭鉱遺産の維持・存続・活用を図ろうと活動している団体ですが、その活動の一環として実施した「そらち炭鉱のまち写真コンテスト」には、趣旨をご理解いただき多数のご応募がありました。ご応募いただいた方々や関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。
○入賞作品の表彰式は3月8日(土)炭鉱(やま)ナビ総会で行います。
炭鉱(やま)ナビ総会
3月8日(土)午後1時
札幌センチュリーロイヤルホテルにて
(札幌市中央区北5条西5丁目 tel 011-221-3001)
○入賞作品は3月17日(月)から3月28日(金)まで炭鉱(やま)ナビ事務所で展示します。(10:00〜16:00 土・日・祝は休) 札幌市北区北8条西5丁目サイエンスビル3階 tel 011-717-0291
(すべての写真の無断転載、使用を禁止します)
入賞作品一覧、審査概要、審査委員長講評はこちらから
審査委員長講評
1,はじめに
「そらち炭鉱のまち写真コンテスト」に多数のご応募をいただき有り難うございました。
去る1月25日、富士フイルムイメージング(株)北海道支社会議室において審査会が行われ、応募総数239点の中から最優秀賞1点、優秀賞2点、ファミリー賞3点、佳作10点、計16点の作品が選出されました。
審査は、岡本洋典 (日本写真家協会会員)を審査委員長に大西利夫(炭鉱ナビ副会長)、桜田憲治(炭鉱ナビ事務局次長)が担当し、加藤千枝(富士フイルムイメージング(株) 北海道支社)、吉岡宏高(札幌国際大学准教授)、高橋由紀雄(炭鉱ナビ事務局)、宮腰優(炭鉱ナビ事務局)、浅野進(炭鉱ナビ事務局)、小林孝一(炭鉱ナビ事務局)の立会いのもと厳正に行われました。
2,講評
北海道炭鉱遺産ファンクラブ主催の初めての「そらち炭鉱のまち写真コンテスト」は、空知の炭鉱遺産の魅力を表現するという応募テーマに対し200点を優に超える作品が集まりました。主催者の熱心な告知努力に、多くの写真ファンが炭鉱遺産にファインダーを向ける事で呼応した結果と言えます。
応募作品全体から見た印象は、ストレートに旧炭鉱諸施設を表現した作品、周囲の景観や季節感を取り入れた風景的な作品、炭鉱遺産を抱き続ける各市町の生活や文化を表現した作品等々、撮影者の個性的な視点が伝わって来ます。各遺産の知名度や立入りの可否等を考慮する必要は有りますが、撮影地域にやや偏りが見られたことは特筆すべき点です。
最優秀賞に選ばれた広田広一氏の作品「廃屋の安全灯」は、北海道の炭鉱発祥の地である三笠幌内炭鉱のレンガ造りの施設を表現しています。坑内労働者が携行する安全灯の保管場所であったこの施設ですが、広角系の写角を活かし、雑然とした周辺景観の中から、レンガの外壁と朽ちかけた封印部を対視できる角度・形状に切り取り、施設が存在する空間を見事な画面構成で撮り収めました。華やかな帰化植物のオオハンゴンソウをアクセントに配した辺りにも、広田氏のこの施設への感情移入が伝わります。人々の脳裏から消えてしまった安全灯室が今も炭鉱の行末を見守っているような、沈黙の時空間を情感込めて表現した素晴しい作品です。
優秀賞の2作品も優れた作品です。江上宏氏の作品「変電所」は、三笠幌内炭鉱の変電所を施設内部から窓越しに撮影した作品です。窓際に吊り下がる様々な機材をシルエット気味に大胆に配し、当時の活気ある炭山の気配を感じさせる印象的な表現が見事です。同じく、優秀賞の玉手恒弘氏の作品「凛(リン)として」は、同じく三笠市幌内の旧立坑を秋の色合いで表現した作品です。黄葉に染まるカラマツ林を背景に、薄く靄がかかるシチュエーションを活かし、立坑を縦位置のシンプルな構図で切り撮っています。ノスタルジックで旅情を誘う情景描写が成功しています。
佳作10作品、ファミリー賞3作品も秀作が揃いましたが、字数の都合で数点のみ言及します。桶川久子氏の作品「赤い花と立坑」は、鮮やかな赤い花の向うに赤平市の炭鉱遺産を象徴する立坑を配し、未来への明るい兆しを表現しています。鈴木英樹氏の作品「冬の三井芦別鉄道」は、芦別市の炭鉱遺産として展示されている鉄道施設を、現在も稼働しているかのような臨場感溢れる作品に仕上げています。ファミリー賞の井手口征哉氏の作品「小さな炭坑夫」は、夕張市の石炭博物館の体験プログラムでのスナップですが、ヘルメットを被った幼い少女の緊張した面持ちを的確に捉えています。
3,終わりに
「そらち炭鉱のまち写真コンテスト」は、空知に残る炭鉱遺産の魅力を多彩な視点から表現した作品が多数集まりました。結果として、各炭鉱遺産に関心を持ち、足を運ぶ新たなファンが誕生したと考える事が出来ます。
しかし、空知管内だけでも200箇所にも及ぶ炭鉱遺産がありながら、その所在や立入り等についての情報が不足しているという事実は否めません。写真表現の基礎は被写体についての理解と関心です。本コンテストに限らず、炭鉱遺産を巡る様々な取組みの推進においても情報提供の向上が期待されます。
応募者の皆様にお詫びしなければならないのは、応募規定にモノクロ写真を明記しなかった点です。往時の炭鉱を表現した優れたモノクロ作品の応募がありましたが、今回は規定外との判断で審査対象から外させていただく結果となりました。次回は、モノクロも対象にすべきかどうか検討させていただきたいと思います。
現存する道内炭鉱遺産に目を向ける取組みは、日本経済の成長ルーツを辿る取組みとも言えます。今後も、こうした炭鉱遺産を巡る取組みを通じ、北海道の未来を見据えた産業や文化の発展に寄与することを期待する次第です。
最後になりますが、受賞者の方々に心よりお祝い申し上げます。
2008年2月14日
「そらち炭鉱のまち写真コンテスト」審査委員長
(社) 日本写真家協会会員 岡本洋典
| ■審査概要 | |
| ・審査日時 | 1月25日《金》 10:00〜12:00 |
| ・審査場所 | 富士フィルムイメージング社北海道支社 |
| ・審査委員等 | <委員長> 岡本洋典((社)日本写真家協会会員) <委員> 大西利夫(炭鉱ナビ副会長) 桜田憲治(炭鉱ナビ事務局次長) <立会人> 加藤千枝(富士フイルムイメージング(株) 北海道支社) 吉岡宏高(札幌国際大学准教授) 高橋由紀雄(炭鉱ナビ事務局) 宮腰 優(炭鉱ナビ事務局) 浅野 進(炭鉱ナビ事務局) 小林 孝一(炭鉱ナビ事務局) |
| ・応募数 | 一般の部 222点 ファミリーの部 17点 |
| ・入賞点数 | 最優秀賞 1点 優秀賞 2点 ファミリー賞 3点 佳作 10点 |






























